悩ましい晩餐会 – ペンギンブックスのGreat Foodシリーズ-

greatfood

A 20-course banquet of GREAT FOOD by  Pen Vogler, Penguin Books

英国のペンギンブックスから2012年に登場したGreat Foodシリーズ。

その存在自体をこれまで知らなかったのですが、昨日、チェンナイ市内の書店の片隅で偶然見つけ、思わず叫びながら踊りだしそうになりました(大げさじゃなく)。

過去400年のフードライティングの名作の、特にジューシーな部分をスライスしてお手頃一口サイズにまとめ、食欲をそそるタイトルをつけ、1冊1冊表情が違う美しい装丁でラッピングした、美味しいとこどりの20冊。これらがずらっと並んで平積みされていたからもう大変。ケーキ屋さんのショーケースの前で、あれもこれも食べたい!どうしよう!と本気で悩んでしまう、それと全く同じ状態に陥ってしまった私。読む食いしん坊の心理を知り尽くした戦略、うまいなー。

1冊だけになっているものもあるし、私が下した決断は、もちろん、ええい、あるだけ買っちゃおう!

文庫本サイズなので、バックにしのばせて、ちょっと小腹がすいた時のスナック代わりにもなる(かもしれない。いや逆効果!?)し、興味を持ったら、完全版にステップアップ(既に何冊も計画)、はたまたお部屋のインテリアにして楽しむという手もあり。

イギリスの大英図書館で古い料理本を見つけたのをきっかけに、このシリーズを企画したペンギンブックスのペン・ボグラーさんによれば、これはまさに“a 20-course banquet of GREAT FOOD”

メニュー構成が絶妙です。

1. The Pleasures of the Table/ Brillat-Savarin

2. The Well-Kept Kitchen/ Gervase Markham

3. The Chef at War/ Alexis Soyer

4. A Little Dinner Before the Play/ Agnes Jekyll

5. Buffalo Cake and Indian Pudding/ Dr A W Chase

6. A Dissertation Upon Roast Pig & Other Essays/ Charles Lamb

7. The Campaign for Domestic Happiness/ Isabella Beeton

8. Murder in the Kitchen/ Alice B Toklas

9. Everlasting Syllabub and the Art of Carving/ Hannah Glasse

10. Recipes and Lessons from a Delicious Cooking Revolution/ Alice Waters

11. Notes from Madras/ Colonel Wyvern

12. A Taste of the Sun/ Elizabeth David

13. Eating with the Pilgrims and Other Pieces/ Calvin Trillin

14. The Joys of Excess/ Samuel Pepys

15. Exciting Food for Southern Types/ Artusi

16. An Alphabet for Food Lovers/ Alexandre Dumas

17. The Elegant Economist/ Eliza Acton

18. Recipes from the White Hart Inn/ William Verrall

19. Love in a Dish/ M F K Fisher

20. A Middle Eastern Feast/ Claudia Roden

年代はもちろん、イギリス、アメリカ、イタリア、インド、中東、地中海沿岸etcと舞台もさまざま、レシピあり、エッセイあり、紀行文あり、考察あり、How-toものあり、有名シェフの料理哲学から、19世紀のイギリスの主婦のキッチンマネージメントの極意、料理の品質を向上させるために戦場に赴いたシェフの話や、遠い異国に派遣された駐在員が現地の材料で祖国の味を再現するのに格闘したり、逆に二つの国の味をミックスした新しい料理を作る様子などなど、時空を超えたGreat Foodワールドはコンパクトながらかなりディープです。

シリーズのトップはやはり『美味礼賛』のブリア・サヴァラン、そしてアリス・ウォーターズなどの現代の著名シェフの作品も含まれている一方で、あまり一般には知られていなかった、あるいは忘れ去られてしまったグルメな著者の作品を掘り起こしているのも見逃せません。

それにしても、どれから食べる(読む)べきか。うーん、困った。

ぜひ日本語バージョンも出してほしいですね。

★ペンギンブックスのGreat Foodシリーズ(英文)

Great Food Club (シリーズの企画者ペン・ボグラーさんのブログ- (英文-)

 

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