女神に捧げる女神の料理

ammam koozhAadi Koozh, Karuvattu & Mochai Kozhambu, and Murungai Keerai Poriyal
for Goddess Ammam

「インドの神々の中で一番好きなのは誰か」。

そう聞かれたら、多分、アンマン女神(Amman)と答える気がします。今では一応シヴァ神の妃(の一人)とされているけれど、もっと自立したたくましさを感じるアンマン女神は、その昔、全ての大地(古代タミルでは、地形を「高地、森、平地(農作地)、海岸、砂漠」の五つに分けていました)の母としてタミルの地で信仰された砂漠の女神Kottravai(砂漠から他の四つの土地が生まれたとどこかで読んだ記憶が)あたりの流れを組んでいそうな南インド土着の、多分最強の女神。タミル語で「母」を意味する「アンマー」に似た響きのアンマン女神は、雨をもたらし、死病と恐れられた天然痘やその他の悪病を治す神として信仰され、現代でも圧倒的なパワーと人気を持ち続ける大いなる母なのです。

家に掃除に来てくれるトゥルカーナンも、アンマン女神派。しかも彼女の名前は、アンマン女神の数ある名前の一つでもあります。

今年は7月16日からアンマン女神のための1ヶ月(タミル暦のアーディ(Aadi)月)が始まり、町の至るところにあるアンマン寺院では連日のように賑やかなお祭りが行われます。トゥルカーナンは、毎年アーディ月の第3日曜日に、個人的に女神に捧げる料理を作って近所に振る舞っています。

この女神は非菜食です。神様のための料理というと菜食のイメージが強いけれど、アンマン女神のお祭りには例外的に肉や魚料理が供えられます。女神に捧げる料理は、クールと呼ばれるシコクビエの発酵粥、フジマメと干太刀魚のコランブ、ドラムスティック(モリンガ)の葉のポリヤルと決まっているようです。

お寺でもアンマン女神のお祭りのプラサーダム(神様に捧げられたお下がり)を食べたことがあるけれど、トゥルカーナンの料理はそれより数段味わい深く、彼女の女神愛をひしひしと感じました。コランブの魚は主役でなくあくまで出汁的な存在。煮干しみたいないい味が出て、酸味に未熟マンゴーも使われているけれどどこか和風。ポリヤルも高菜炒めを思い出すテイストでピーナッツが隠し味。結構がさつなイメージのある彼女だけど、料理はとても繊細で優しいのが少し意外でした(失礼-笑)。

今年はあいにく、アーディ月の第3日曜は日本にいるけれど、第4日曜にトゥルカーナンの妹が同じ料理を作る予定らしく、家に招待されています。

ちなみに、アンマン女神の祭りでは山羊の生け贄が捧げられます。真夜中にはその山羊のコランブをはじめノンベジ三昧が寺で振る舞われるとのこと。

ちょっぴり怖いような気もするけれど、機会があれば、一度その真夜中の祝福にあずかりたいと秘かに思っています。

ammamtempleアンマン寺院にて

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